ギムノカリキウム図鑑

2007.3.17 公開開始
3.19図鑑・写真掲載開始
3.30初記載年、産地国、特徴開始
5.7 種の解説掲載開始
目次
1.初めに
2.分類の概要と代表種
3.種の解説
4.図鑑

1.初めに
我国はギムノカリキウムの愛好者が多く、以前から専門のクラブがあり、活発に活動しています。
また、ヨーロッパでは分類の研究が盛んで以前から色々な発表があります。ここでは、
(1)新しい分類による
(2)初記載に最も良く対応していると見られる現地由来の苗で、花付きを示す
(3)世界的に主流となっているシュッツの分類以降の新しい種類も紹介する
ことにしたいと思います。
オーストリアギムノ研究会の、フィールドワークと文献調査による最新分類に基づく図鑑です。
写真は同会海外グループの島田孝・寿男氏と、谷山宰氏のコレクションの代表苗です。
詳しいことは島田孝氏のホームページをご覧下さい(http://www.hi-ho.ne.jp/staka/Gymnocalycium.htm)
我国で人気のあるいわば園芸品種・優品についても将来採り上げたいと思います。

2.分類の概要と代表種・産地
I.Gymnoalycium亜属 アルゼンチン
 A.ギムノカリキウム節
   a.ギムノカリキウム列(九紋竜、reductum/)
   b.Lafaldensia列(緋花玉/黄蛇丸・羅星丸)
   c.Quehliana列(竜頭に非ず、桃冠玉・mucidum/火星丸・parvulum/berchtii・poeschii/ユーベルマニアナム)
II.Microsemineum亜属
 B. ミクロセミネウム節
  B1. ミクロセミネウム亜節 アルゼンチン
   d. Mostiana列(rhodantherum, alboareolatum, guanchinense, 華武者, 若武者 アルゼンチン/純緋玉、carminantum、アンバトエンセ、チリアナム アルゼンチン/天平丸、光琳玉、バイリアナム アルゼンチン・ボリビア/紅蛇丸 アルゼンチン/ホーセイ、魔天竜、猛鷲玉、プギオナカンタム アルゼンチン) アルゼンチン・ボリビア
   e. Saglioniana列(新天地、モンビレー*) アルゼンチン
   f. Chiquitana列(チキータナム良寛、パエディオフィラム) ボリビア・パラグァイ
   g. Chacoensiana列(チャコエンセ) チャコ
  B2. Macrosemineum亜節
   h. マクロセミネウム列(蛇竜丸ブラジル・ウルグァイ、アンゲラエ アルゼンチン・ウルグァイ/ウルグァイエンセブラジル・ウルグァイ、メラノカルプムウルグァイ ウルグァイ
   i. Multiflora列(多花玉multiflorum*、/ホルスティ、ブエネケリブラジル/稚竜丸、メソポタミクムアルゼンチン/パラグァイエンセ(海王丸原種)、蛇紋玉パラグァイ ブラジル・アルゼンチン
  B3. Pileisperma亜節(竜頭、鳳頭、ラゴネセイ/怪竜丸、守殿玉、リオジェンセ、オックルタム) アルゼンチン
  B4. Insertae sedis亜節(剣魔玉) アルゼンチン
 C. Terminalia節
  C1. テルミナリア亜節(麗蛇丸パラグァイ・ボリビア/瑞雲丸、牡丹玉パラグァイ・ボリビア/勇将丸パラグァイ パラグァイ・アルゼンチン
  C2. Schickendantziana亜節 
   j. シッケンダンツィアナ列(波光竜、天主丸アルゼンチン/ハマツムボリビア、綾鼓アルゼンチン・ボリビア・パラグァイ
   i. Periferalia列(翠晃冠ボリビア、ホルディイボリビア/マトエンセブラジル、メガタエボリビア・パラグァイ
 D. Pirisemineum節(天賜玉、ゼガラエ) ボリビア・アルゼンチン
(Semineumは種子のこと、下線のあるのはShutzの分けた6亜属にほぼ対応する、
*はシュッツの分類では他のグループに属する)
2007.5.9 列内グループ化・産地詳細化
3.種の解説
島田寿男、島田孝両氏による、種の解説の一覧表です。

4.図鑑

ギムノカリキウムはサボテンの中では比較的新しく進化・分岐した属です。そのためか、中間的な種類や地方変種などが数多くあります。ここでは、オーストリアギムノ研究会の現地調査・文献調査・遺伝子や染色体の解析などによる研究を元に、世界的に主流となっている国際系統分類で種と認定されている物を中心に、それ以外の代表的な種や変種を、そのまた典型的とされる物のみ写真で示しています。各種類の特徴を知りたい人、純正種のコレクションを目指している人に参考になれば幸いです。和名については最も適当と思われる物と対応させました。産地や分類の根拠、初記載年などについては、徐々に追加していく予定です。
(種名の後のかっこ内の数字は国際系統分類グループの種(71)の番号)
I.Gymnoalycium亜属
 A.ギムノカリキウム節
   a.ギムノカリキウム列(九紋竜)
gibbosum(26、1812、九紋竜)
ギムノの最古に記述された基準種。最南端に産する。体色は黒緑。刺は焦げ茶色で放射状。花弁は重なり合う。

hyptiacanthum(29、1839)

leeanum(32、1845)
九紋竜に似て刺がやや華奢。

neuhuberi(43、1992、curvispinum1929?)
刺が白っぽい。花は桃色。

reductum

taningaense(67、1990)
扁球。稜が低く、疣も目立たない。刺は細い。

?terweemeanum(68, 1997) platensis var Teucq exDuusrma 1930

   b.Lafaldensia列(緋花玉、黄蛇丸)
小型、軟・短刺、群生
andreae(4、1930, 黄蛇丸)
やや疣状。刺は細くて短い。花色は薄黄色。

baldianum(7、1905, 緋花玉)
通常単幹、花色は緋色で小型で良く咲くので花屋の人気種。雑交配されて薄い朱色や甚だしい場合は白もあるそうだ。

bruchii(12、1923, 羅星丸)
小型長筒で群生。稜はやや低い。花色は薄桃色で群開。


   c.Quehliana列(竜頭に非ず、火星丸、ユーベルマニアナム)
amerhauseri(3, 1994)
体色。稜数が少なく稜。刺座が窪んでいる。刺は短い。

berchtii(9, 1997)

borthii
体色は。本群の中では刺が太い方で、中刺はなく縁刺は5本。花は

capillense(15、1923, 桃冠玉)

erinaceum(23, 1985)

heidiae

kieslingii(31, 1985)
黒緑の肌と元が黒く先が白い刺は鳳頭系を思わせる。

kroenleinnii

leptanthum(33、1905, 麗富士)
13稜で丸み、刺座の所は窪む。体色緑。。

calochlorum(火星丸)
小型で群生、体色はやや黄色がかった緑。白くて細い刺が体に沿う。

mucidum

papschii

parvulum(49、1905, 薫冠玉)
形や花は羅星丸に似るが大型。基本は単幹

poeschlii

quehlianum(53, 1899)

rosae(58, 1995)

sanglianum

striglianum(65, 1987)
体色は黒緑、刺色も黒緑。花は白で底紅で花弁は良く開く。

uebelmannianum(70, 1972)
稜数が少なく8稜。刺は5本かT字形。


II.Microsemineum亜属
 B. ミクロセミネウム節
  B1. ミクロセミネウム亜節
   d. Mostiana列(バイリアナム、天平丸、光琳玉、紅蛇丸)
albiareolatum

ambatoense
体色やや黄緑、刺白み丸棒

bayrianum

bicolor
刺やや浮く

carminanthum(16, 1976)
刺白み・丸棒

cardenasianum(62s, 1964, 光琳玉)

catamarcense(18, 1995)

ferrarii

glaucum
刺茶色・厚み、花底紅

guanchinense
刺白み・丸棒

hossei
刺茶色味

mostii(40, 1918, 紅蛇丸)

nidulans(猛鷲玉)
刺茶色味

nigriareolatum
刺茶色味

oenathemum(純緋玉)

prochazkianum

pugionacanthum

rhodantherum

ritterianum
疣状

spegazzinii(62、1922, 天平丸)

tillianum(69, 1970)
刺丸棒

weissianum(華武者)


   e. Saglioniana列(新天地、モンビレー*)
monvillei

saglionis(59、1847, 新天地)

schuetzianum


   f. Chiquitana列(チキータナム、パエディオフィラム)
chiquitanum(19, 1963)

paediophillum(47, 1977)

   g. Chacoensiana列(チャコエンセ)
chacoense

 
以下、下記ページに続く
 B2. Macrosemineum亜節