従来は、Turubinicarpus, Gymnocactus, Pelecyphora, Rapicactus属に分けられていた。しかし、狭義のツルビニカルプスの幼苗の刺がペレキフォラの１種とされていたバラ丸などと同じ羽または櫛状であることなどから、バラ丸の仲間は、幼い体型のまま性的に成熟した物であると考えられるようになった。従って、分類は親苗の形態の印象とは異なる物となっている。もう一つの面白い特徴は、一部の種類で根元がくびれて非常に細くなることであり、別属（Rapicactus属）とする意見もある。ここでは専門家による属内分類を紹介する。国際系統学グループにより種と認定されている物の内６種がアロンソイを初めとして1990年代に初記載の新しい種類である。
イダルゴ州・ケレタロ州の、他の属でも進化・進出の終点となっている地域に産する長城丸グループが、この属でも別な列になっている。この群は遺伝子解析でも他のツルビニカルプスとは異なっていてむしろペディオカクタスやエピテランタと近縁との結果が出ている。大半の種類は牡丹類と近縁とされている。なお、銀牡丹や精巧丸のペレキフォラはマミラリア（コリファンタ）に近く、ツルビニカルプスとは遠縁である。
種名リスト（国際系統学グループ）
alonsoi 1 1996 アロンソイ
beguinii 2 1898 白狼玉
bonatzii 3 1992
booleanus 4 1996
gielsdorfianus 5 1929 黒槍丸
hoferi 6 1991
horripilus 7 1838 紅梅殿
jauernigii 8 1993
knuthianus 9 薫染丸、薫鯱
laui 10 1975
lophophoroides 11 1934 交麗玉
mandragora 12 1929 美針玉、こけし玉
pailanus 13 1998
pseudomacrochele 14 1935 長城丸、イダルゴ州、ケレタロ州、ssp. krainzianus 1960 蕪城丸 ssp. lausseri 1991
pseudopectinatus 15 1935 精巧殿
rioverdensis 16 1992
saueri 17 1928 サウエリ、仙境
schmiedickeanus 18 1928 昇竜丸
subterraneus 19 1932 サブテラネウス
swobodae 20 1987 スワボダエ
valdezianus 21 1930 バラ丸
viereckii 22 1931 フィーレッキイ
ysabelae 23 1934 イザベラエ
zaragozae 24 1978 ザラゴサエ
Turbinicarpus-Rapicactus, D. Donati and C. Zaovelloによる分類、
赤太字は国際系統分類の種（24）とアルファベット順の番号
Turbinicarpus属
ツルビニカルプス亜属
lophophoroides（交麗玉列）
交麗玉亜列
lophophoroides11交麗玉
花色白から薄桃、長さcm、径3.2-3.5cm。
jauernigii8
花色濁った濃い茶色、長さ2.5cm、径1.5cm。
bonatzii3
花色バラ色で薄い縁、長さ1cm、径1.2-1.5cm。
rioverdensis
alonsoi1アロンソイ
花色赤、長さ2.5-3.8cm、径2-3cm。
flaviflorus
Laui亜列（ギムノカクタスの一部）
ラウイ10
花色白くて茶色の中筋、長さ1.8-2.5cm、径3.1-3.5cm。
knuthianus9薫染丸、薫鯱
ツルビニカルプス列
schmiedickeanus18昇竜丸
花色白、クリーム色、緑黄かマゼンタ、長さ1.5-2.6cm、径1-3.2cm。
rubriflorus
klinkerianus昇雲竜、烏丸？
schwarzii（烏城丸）
hiemalis
planitieri
macrochele列
macrochele牙城丸
polaskii烏丸？
frailensis
valteri
gracilis列
グラシリス
dicksoniaeディクソニアエ
hoferi6 1991
花色白、長さ2.5cm、径1.5-2cm。
swobodae20 1987スワボダエ
花色白からクリームから薄い黄、長さ1-1.6cm、径1.3-2.2cm。
valdezianiバラ丸列、以前はPerecyphora属とされていた。
pseudopectinatus15 1935 精巧殿
valdezianus21 1930 バラ丸
viereckiiフィーレッキイ列（旧ギムノカクタスの一部）
major
viereckii22 1931 フィーレッキイ
neglectus
gielsdorfianus5 1929 黒槍丸
Gymnocactusギムノカクタス列
saueri 17 1928 サウエリ、仙境
ssp, nelissae
ysabelae23 1934 イザベラエ
nieblae
Kadenicarpus亜属
カデニカルプス節
pseudomacrochele14 1935 長城丸、イダルゴ州、ケレタロ州、ssp. krainzianus 1960蕪城丸 ssp. lausseri 1991
花色白から赤紫から黄緑からマゼンタ、長さ2.5-3cm、径2-3.5cm。
krainzianus蕪城丸
ssp. minimus
Bravocactus節（ギムノカクタスの一部）
horripilus7 1838 紅梅殿
var. wrobelianus
Rapicactus属、
ラピカクタス亜属
subterraneus19 1932 サブテラネウス
booleanus
zaragozae24 1978 ザラゴサエ
conescens
donatii
beguinii2 1898 白狼玉
ssp. hintoniorum
ssp. laurae
Lodia亜属、茎の根元が異常に細くなっている
mandragora12 1929 美針玉、こけし玉
pailanus