カクタス東京掲載No. 445,2006.5-6
2007.4.2作成開始
4.11公開・写真掲載
国際系統学グループではアンシストロカクタス2、グランデュリカクタス1(羅紗錦)、トウメヤ1(月の童子)、ユタヒア1種(天狼)を統合し14種を認めている。これらの内、月の童子と天狼は含めても良いようで、一方、羅紗錦は例えば遺伝子解析では遠縁となっている。従って狭義のスクレロカクタスは以下と考えられる。
(1)
glaucus#2, 1898、
球形から円筒、青緑、刺で茎が隠れることはない、3-12cm高、4-8cm径、12-13稜、疣は6-9mm稜から突出、
直根は沢山に分岐、
中刺1-3本、12-26mm、たまに鈎状、
花は桃色、
ユタ東部・コロラド南西部)、
brevispinus 1994
(2)
mesae-verdae#3, 1940年、
扁球形から円筒、青みかかった緑、3-11cm高、4-8cm径、13-17稜、
直根は沢山に分岐、疣は目立たない、
中刺0-1本、灰色、7-15mm、たまに鈎状、
コロラド南西端・ニューメキシコ北西部)、
(3)
nyensis#4, 1992年初記載の新しい種類、
5-12cm高、4-5cm径、密な刺で茎を覆う、12-15稜、疣発達、
中刺4-7本、20-45mm、
花はバラから紫色、
ネバダ南部、
(4)
papyracanthus#5, 1849年、トウメア・
月の童子)
円筒、2.5-7.5cm高、1-2cm径、刺で茎がほぼ隠れる、稜は不明瞭、疣は長く伸びる、
中刺1-4本、1本が発達紙状で白から灰色、20-30mm、
南東アリゾナ・西ニューメキシコ、
(5)
parviflorus#6, 1941年、
彩虹山、他に亜種3種
扁球から円筒まで、5-27cm高、4-13cm径、密な刺で茎が隠れる、
直根は単根で元で分かれる、10-16稜、疣は明瞭、
中刺4-7本、下向きと水平は鈎刺で赤、38-45mm、
花はバラから紫色、
ユタ・コロラド・アリゾナ・ニューメキシコの接するフォーコーナー地域、
亜種のintermediusは月想曲に似て産地も重なるが中刺が鈎刺
(6)
polyancistrus#7, 1857年、
白紅山
円筒、10-40cm高、5-9cm径、密な刺で茎が隠れる、13-17稜、疣あり、
中刺9-11本鈎刺、30-85mm、下向きは赤か赤茶で上向きは白で平ら、
花はバラから紫色、
カリフォルニア南東部・ネバダ南西部コロラド南西部のモハベ砂漠?、
(7)
pubispinus#8, 1863年、
扁球から円筒、1-15cm高、2-15cm径、刺は茎を隠さない、13稜、疣あり、
中刺4-6本無いことも多く変化に富む、5-60mm、下向きは鈎刺で赤か黒み、
西ユタ・北西ネバダ、
(8)
sileri#10, 1896年、ユタヒア・
天狼、
扁球形から円筒、緑、5-25cm高、6-11.5cm径、刺は密で茎を覆う、稜は不明瞭、
中刺3-7本、茶黒色13-30mm、
アリゾナ州ココニノ村とユタ州ワシントン村、
(9)
spinosior#11, 1863年、
黒虹山、
扁球形から円筒、4-15高、4-10cm径、刺はとても密、13-14稜、疣が明瞭、
上下向きの中刺約6本、内1-2は時に鈎状、水平の中刺は通常2本、白で平ら20-60mm、下向きの中刺は3本、暗色で内1本は鈎刺、
花は赤紫から紫や薄青色
ユタ南西部・ネバダ、
(10)
whipplei#13, 1857年、
白虹、他に亜種blainei、
扁球形から円筒、3-14cm高、4-11cm径、密な刺が茎を覆う、13-15稜、疣が連なる、
直根は大きい、
中刺4本、14-45mm、下向きは曲がって鈎刺、
アリゾナ北西部・ユタ南東部でコロラド川沿いに広がっている、
(11)
wrightiae#14, 1972年初記載で比較的新しい、月想玉に似ている、
扁球形、青緑色、1-8cm高、4-8cm径、塊根は沢山に分岐、13-16稜、疣が明瞭、
中刺4本、白、5-44mm、下向きは鈎刺、
ユタ南の中央部